概要

今回は大津から伊勢へ。暑さから逃げて夜通し走り、朝に赤福氷にたどり着いた話だ。

「赤福氷、まだやってるらしいですよ」——KeiOS さんのその一言から、伊勢の「赤福氷」を食べに行くことになった。じつはこれ、先日ぽしゃった計画のリベンジである。9月中旬とはいえ昼間はまだ暑い。373 さんが「暑さが身に堪えるので、ナイトライドなら」と乗ってくれて、日曜の夜に発つプランに決まった。当初いっしょに行くはずだったがむがさんが仕事で不参加になり、そのぶんスタート地点とルートは自由に選べることになった。

深夜0時50分、大津をスタート。国道1号を東へ、草津・甲賀を抜けて三重県へ入り、伊勢街道を南下して伊勢へ。赤福に着いたのは午前9時半過ぎ。かき氷にたどり着くまで、およそ9時間。帰りは宇治山田駅から近鉄で輪行、名張で特急に乗り継いで大阪へ戻った——はずが、最後にひと悶着あったのだが、それは終盤で。

ちなみにこの日、夜でも気温は22〜30℃。9月中旬の日中を避けた判断は、数字のうえでは正しかったことになる。

メンバー(当日のつぶやき「こんな時間から走る馬鹿が5人…」のとおり、私を含めて5名)

  • KeiOS さん(発案者)
  • 坂本さん
  • Shin さん
  • 373 さん

ちなみに前回、日中に走った伊勢は、向かい風と酷道でなかなかの修行だった。あの反省もあって、今回は涼しい夜に賭けている。

この記事のルート

  • 区間:JR石山(大津)→(国道1号)→ 草津・甲賀・土山 →(鈴鹿峠)→ 亀山・三重 →(伊勢街道)→ 伊勢。ゴール=近鉄 宇治山田駅で輪行
  • 距離 / 獲得標高:117.5km / +557m(最高勾配 12.3%)
  • 主な通過地:草津・水口・土山宿(旧東海道)・鈴鹿峠・亀山・明和町・伊勢市
  • 登り:ほぼ平坦、山らしい山は鈴鹿峠のみ(近江側から上り約5.4km・平均2.4%)
  • 補給:休憩は3回・各30分ほどの計画(KeiOSさんのタイムテーブル)。鈴鹿峠に入る前にコンビニで補給を済ませた。深夜のうどんを買えた店もあり、コンビニが完全に切れる区間は無かった
  • ルートデータRide with GPS

出発:深夜0時50分、大津から

日中に走れば、9月とはいえまだ焼かれる。それなら夜に走ればいい。単純な話である。

集合は JR石山駅の南口を出たセブンイレブン。各自、終電の輪行でここまで来る。石山スタートなら、大津も柏原も出発時間はそう変わらない——それなら走ったことのない道を、という理由で選んだ起点だった。

駅の駐輪スペースに自転車を並べて、出発準備。「駅リンくん」の看板の下に、3台が壁際に立てかけられている。

ハンドル脇には、いつものお守り。温泉むすめの「鳥羽 亜矢海(とば あやみ)」——伊勢志摩・鳥羽のご当地キャラのアクリルキーホルダーである。行き先が伊勢なので、今回はいつにも増して据わりがいい。

国道1号を東へ:草津から甲賀へ

深夜の国道を、赤いテールライトを追いかけて走る。

01:20、交差点の標識に「大江二丁目」。
深夜とはいえ国道。それなりの交通量がある。

02:29、「甲賀市 Koka City」の市境標識。交差点名は「泉西」。滋賀県を東へ、着実に進んでいる。

深夜の宿場町

02:40、街灯が提灯のような形をした、古い町並みの通りを走る。両側には白壁や格子戸の建物が並び、深夜だというのに灯りだけは温かい。

鈴鹿峠の手前、旧東海道の土山宿(あいの土山)。提灯型の街灯が、深夜の街道に等間隔で灯っている。誰もいない宿場を、ライトの灯りだけが連なって抜けていく。

深夜3時のうどん

03:03、路上に座り込んでの補給。食べているのは坂本さんと Shin さんの二人。プラ容器のうどんと、具材だけが別容器に入ったパック。かまぼこ、青ねぎ。値引きシールらしき黄色い札が貼ってある。当日のツイートには「お夜食食べる人たち」と書いた。

二人ともランドヌール(ブルベを走る人種)である。深夜3時だろうがなんだろうが、補給はきっちり摂る。さすがだな、と思いながら、私は横で眺めていた。

峠越え:三重県へ

峠に入る前に、コンビニで補給を済ませておく。ここから先、しばらく店は無いだろうという判断だ。

04:07、鈴鹿トンネル。オレンジの照明が続く長い坑内を、縦に並んで通過する。この日いちばんの——というより唯一の——登りが、鈴鹿峠だった。近江側からの上りは5.4kmほど、平均2.4%。ロングライドの脚には、ちょうど目が覚める程度の斜度である。

04:18、ガードレール脇で小休止。ライトを点けたまま自転車を停めている。

夜明け:伊勢平野を南下

05:14、空が白み始める。「BASIC」の看板が出た店の駐車場。雲は厚いが、山の端がオレンジに焼けている。

05:42、田んぼの中の一本道。稲はまだ青く、空はオレンジからグレーへのグラデーション。
夜明け。毎度のことだが、空が明るく成ったタイミングが緊張が解けて一番眠くなる。気を付けて進むとする。

06:35、「レンタルのキナン」の看板と、「キング観光」のパチンコ店。三重県に入ったことが、風景の看板から分かってくる。

伊勢街道:明和から伊勢市へ

08:43、「伊勢街道 Ise Kaido」の道路案内標識。交差点名は「竹神社前」。三重県明和町。空は一面の曇り。

09:07、宮川に架かる長い橋。すぐ隣を古い鉄道橋が並走している。遠くには山並み。伊勢はもう目の前だ。

赤福氷

09:27、赤福に到着。「創業 宝永四年」と彫られた大きな木の看板。黒い暖簾が並び、観光客が行き交っている。深夜0時50分に出発して、ここまで約8時間半。

09:36、赤福氷。抹茶のシロップがかかった、こんもりと高い氷の山。添えられた小皿には赤福餅が2つ。お茶が一杯。崩すと、中から餡と白玉が出てくる。

味は、美味しい。ただ、真夏の炎天下を耐え抜いて食べるときのような「カタルシス」は、正直なところ無い。夜に走ってきたぶん、身体はそこまで火照っていないからだ。

そのかわり、食べ終えても時刻はまだ午前10時前。このあと輪行して、昼過ぎには家に着く。丸一日を使い切る前に帰宅できるというのは、なんというか、1日ぶんどこかで得をしたような感覚がある。ナイトライドの旨味は、たぶんそこにある。

宇治山田駅から輪行

10:07、近鉄 宇治山田駅。アールデコ調の重厚な駅舎。タクシーが並ぶ。

10:55、乾杯。アサヒスーパードライ、ザ・プレミアム・モルツ(LIMITED DESIGN)。走り切ったあとの、朝の一杯である。

時間の都合で急行で帰ることになったのだが、名張の特急との連絡中に腹痛が。。。
KeiOSさんに車体を預けて、トイレを探す。
いったん車外し出た途端、ドアが閉まって出発してしまった。

ところが後発の特急、乗り継ぎの巡り合わせが良く、鶴橋には皆より5分早く着いてしまった。KeiOSさんには遅れます!と伝えておいたのだが、実は「5分間のアリバイ作りに成功」していた。

まとめ

暑さから逃げるように、深夜0時50分に大津を出て、国道1号で滋賀を横断し、鈴鹿峠を越えて三重へ。夜明けを伊勢平野で迎え、伊勢街道を辿って、9時半に赤福氷。117km。

炎天下を耐えて食べる一杯のカタルシスは無かったけれど、そのぶん涼しく走れて、昼過ぎには家に着いた。丸一日をまるまる使わずに伊勢まで往復できた——なんだか1日ぶん得をした気分の残る、そういうライドだった。夜に出た判断は、正解。

赤福氷はこれで何度目か。初めて食べに行った回、恒例になった2年目の酷道回、そしてこのナイトライド回。どうやら夏の終わりに一度は伊勢へ向かう身体になってしまったらしい。

そういえば、KeiOS さん・373 さんと夜に走るのは、これが初めてではない。夜の清滝を延々と登り返していた頃から、この面子とは妙に夜の相性がいい。

今回の走行データ

  • 走行距離:117.5 km
  • 走行時間:移動 4時間43分 / 経過 8時間05分
  • 平均速度:24.9 km/h(最高 50.3 km/h)
  • 獲得標高:+557 m(最高勾配 12.3%。登りは鈴鹿峠のみ)
  • 平均心拍:138(最高 191)/ 平均パワー:139 W / 気温:22〜30℃
  • ルート:Ride with GPS