目次
概要
きゃぷちゅんさんから「カキオコ……」という、意味不明な連絡が来た。
ダイイングメッセージか何かだろうか。
彼のことだ、おそらくカキオコを食べに行きたいのだろう。
カキオコとは、岡山県備前市日生地区の郷土料理・ご当地グルメの一つ
「牡蠣入りお好み焼き」である。
少し調べてみると、お好み焼きも関西風、広島風とも違うらしい。
広島風のキャベツの切り方&関西風の生地に具材を混ぜ込むスタイルのようだ。
書くとこんなところか、しかし実際に訪れてみて度胆を抜かれた。と記しておく。
牡蠣を食べる機会はあまりないが、私の好物でもあるため快諾。
もちろん、サイクリストらしく自転車で。
最初は2人で行く予定だったのだが、「(私と走るとロクなことにならないので)道連れ」が欲しいとの事。
人見知りもあってお誘いできる方は、片手で数えるほどしかいないが……道連れ見つかりました!
最近お世話になっている、KeiOSさん・373さん。
お二人とも先週はオーバーナイトで金沢まで300kmを走り、疲れもあるだろうにタフな方々である。
ルートに関しても、少し悩んだ。
おそらくR2, R250 が最短だろう。
アップダウンも少なく、130kmほどで岡山へ行くことが出来る。
「5時間ぐらいで行きましょう」のようなファストラン的な目的ならこれも良いのだが。
しかし、丁度良い気温・季節の中、心を無にしてペダルを回し続けるルートは如何なものか。
私は明石以西をほとんど走ったことがない。
せっかくなら景色の見当がつくようなルートではなく、楽しそうなルートで走ろう。と決めた。
念のため言っておくと、主催はきゃぷちゅんさんである。
まぁ、ルートを考えるのは嫌いではないので問題ないのだが。
KENZENな集合
記憶に新しいライドだったためか、前置きが長くなった。
集合場所は北摂方面へ走る際の集合地点として定番の池田新町のローソン。
夕方にカキオコを食べたいので、8時集合とした。
今回の工程は集合地点から150km。グロス17km想定で17時には到着の予定である。
仕事が片付かず2時過ぎに帰宅。
集合場所まで35kmのため、6時に出発と定めて軽く仮眠。
定刻どおり出発しようとすると、仕事のエラー通知メールが大量に。
取りあえずリカバリー後、終日外出と伝えて出発。
前もって伝えてはおいたのだが、客には「(土日は)休み」という概念がないらしい……。
と、愚痴っぽくなるのでやめておこう。
結局1時間遅れの7時に出発。
豊里大橋。
普段より遅めだからか、信号に引っかかりまくる。
神崎川。
猪名川のセントラルドグマは砂利も無くなってました。
これならわざわざ上の堤防側を走ることもないかも。
08:15 到着。
グロス 28km/h 頑張ったのですが、「なっちは遅刻魔」をお見せする形となってしまいました。
(なんの言い訳にもならないのだが、定刻通り到着したのはKeiOS氏だけである
大変申し訳ございません。
きゃぷ氏と私は、サドルバッグ。
KeiOS氏、373氏は輪行袋を直接サドルレールに。
一体いつから― ゆるポタだと錯覚していた?
まともに朝食も食べられなかったので、補給。
遅れたうえに更にお待たせする始末。
当初は、岡山県の中腹にある湯郷温泉へ足を延ばし、南下してカキオコの予定だったのだが、
230km, 2000m アップのルート設定に、きゃぷちゅんさんから猛反対を食らってしまった。
「紅葉もあるし楽なルートで走りましょうか」となった次第。
お待たせいたしました。出発。
多田を越えたあたりのr12 の道。
川と山肌にそってうねっている感じがお気に入りのポイントだ。
ひそかに頑張っているセグメント。
(トリトンのところ、って言ったら伝わるのかしら
輪行袋など重りを背負っている割にはベストタイム更新。
(いつの間にかKOMは更新されていて、当分は抜かせない記録になってましたが
r324 で宝塚へ。
新名神の開通に伴って出来た道?なので道は綺麗。
しかし後半1kmちょっとは10%の登りが待ち受けている道。
緩斜面だったら問題ないが、本格的な登坂となるとサドルバッグが邪魔に感じる。
r33 で西谷へ。
西谷ふれあい夢プラザで小休止。
私の都合で遅れてしまった分を取り戻すべく頑張っていたのですが、
オーバーペースだったようで一度クールダウン。
(何事も冷静さを欠いてはダメですね反省
ご褒美は峠とランチ
r68(北摂里山街道)で三田へ。
朝方なら快走路のはずだが、時間が遅いからか交通量が多い……。
季節柄、ゴルフ客も多い可能性があるが、千刈CCのルートの方が良かったかもしれない。
三田市内。
交通量が多い……。
めんたいパーク神戸三田。
三田の街を走ったはずですが、交通量の多さからゴリゴリ精神力を削られるので記憶からは消去した。
三木市へ突入。
三田、神戸市を離れると一気に交通量が減るため、気持ちが楽になる。
R428, r355 の合流地点、二ツ子町交差点でドリンク補充。
ここまで来ればランチの目的地までは10kmほど。
TTモードで走りたくなる気持ちの良い道だ。
桃坂峠。
距離にして1km弱だが、斜度は7.3%。後半に10%超が待っている。
登り切った先には、ログハウスが。
「小さな森の喫茶店ワイルドダック」
到着は12時。
混雑を懸念したが、待ち時間もなく着席。
あと10分遅かったら危なかった。
メニューを見ながら始まる高度な情報戦。
KeiOSさん:「今日食べるものはもう決めてあるんですよ」
店員さん:「ご注文はお決まりですか?」
一同(4人):「伝統のハンバーグスペシャルランチで!」
まさかの全員被り。
これがバラエティ番組なら全員お預けを食らうところである。
そんな話をしているうちに、料理がやってきた。
粗めに挽いたハンバーグにたっぷりの野菜&半熟の目玉焼き。
バーグの下には豆腐・とうもろこし・すじこん など焼き野菜。
そしてデミグラスが絶品、パンがあれば付けて食べたいぐらいだ。
パイ釜焼きスープ
塩気のあるパイ生地とクリームスープがマッチする。
テーブルには所狭しと料理が並んでんでいるさまは、サイクリストのランチとしては異質だ。
遅刻魔ならぬ、「なっちは猫舌」をお見せする形となりましたが……。
網引駅のシンボル:金色のイチョウ
贅沢なランチで空腹も満たされ出発。
r353 沿いの脇道へ。
途中、砂利道を走らされたりしましたが、加古川へ。
遠いところへ来た感じがするが、恐らく加古川以西が知らない場所だからだろう。
北条鉄道 網引駅へ寄り道。
先客がいたので写真はないが、イートインとして使用可能な待合室も良い感じだった。
駅前のイチョウの大木。丁度良い時期に来たようだ。
鉄道に思い入れがあるわけではないが単線には惹かれる。
都会の喧騒を離れた感じが好きなのだろうか。
姫路城でない姫路の城
R372 へ。
亀岡、篠山でもよく通る路線番号の道。こんなところまで繋がっているのか。
ようやく姫路市へ突入。
姫センこと、姫路セントラルパーク。
大阪から遠いイメージがあるが、車で1時間で行けることから、
最近は「日本一心の距離が遠いテーマパーク」(自虐PR)を謳っているようだ。
確かにこんな場所にあるとは思わなかった。
姫路城付近を通るルートにしてしまったため、どうにも交通量が多い。
全方位に神経を尖らせつつ走っていると、いつの間にかヨーロッパにでもワープしたのだろうか。
日本には似つかわしくない風貌の城。太陽公園の白鳥城(しらとりじょう)。
ドイツのノイシュバンシュタイン城をモチーフとした城のようだ。
こういった発見は、すさんだ心を癒してくれる。
ラストは峠2連発
太市駅(おおいちえき)にてドリンク補充と残りのルートの確認。
時刻は16:20、残り40km。あと30分ほどで日没となる。
日没後を走る予定はなかったが、念のためvolt800 を2本用意しておいて良かった。
早朝を走ることは好きだが、夕方・夜を走ることは嫌いだ。
帰路、買い物、外食など各人の思考が交錯していて道の流れが読みづらい。
危険なのもあるが、単純に疲れるし面白くない。
r5 でたつの市へ。
トンネルは自転車通行可の標識を確認したので歩道を。
手前に旧道があったようだが見落としていた。
まもなく日が暮れる。
揖保川を渡る。
揖保川と言えば、手延べ素麺「揖保乃糸」。揖保川の水、赤穂の塩を使って作られたらしい。
夏場の食欲がないときにはよくお世話になっている。
たつの市に関しては姫路市と違い、山のふもとを通るルートにしたからか交通量も少なく走りやすい道だった。
おかげで空が完全に暗くなる前に相生まで到着。残り20km。
コンビニで最後の休憩。
最低気温は4度、最高気温は18度の予報だったので夏用ジャージを選択。
軽装にしたつもりだったが、それでも汗を流し過ぎたようだ。塩気のあるものが欲しい。
身体に従った結果、カリカリ梅を1袋食べる暴挙に出た。塩分3g弱は摂り過ぎである。
ここで目的地の相談。
当初の予定では、「タマちゃん」でカキオコを食べるはずだったが、現在17:30。
ラストオーダー19時、閉店20時では落ち着かない可能性がある。
腰を落ち着けてゆっくり食べられる代わりの店を探すことにした。
幸い、タマちゃんから一駅先の日生駅には22時までやっている店もいくつかあるようだ。
店も決まり、急ぐ必要が無くなったので残りはウィニングラン。
あとはのんびりと……は、させまい。
今回は補給が多め&さっきカリカリ梅を食べたからか、お腹の空き具合が微妙なのだ。
ゴールが目前になって元気が出てきたこともある。
ここからはR250 で日生まで。
高取峠で赤穂へ。コースプロフィールは、STRAVA上で1.4km, 7.8%。
岡山県へ入るにも峠があるらしく、福浦峠と言うらしい。
兵庫県赤穂市福浦・岡山県日生町寒河を結ぶ道だ。
こちらもSTRAVA読みで、1km, 9.7%。
KeiOSさんと「これを登り切ったら岡山県ですね」などと話しながら。
私は後続を千切るつもりで登っていたのだが、余裕のようだ。
内心焦りながらも、ポーカーフェイスを気取っておくこととする。
岡山県へ。
ダウンヒルであっという間に日生へ。
日生駅前には「ひなせ」の文字のイルミネーションが。
本日の目的地、「お好み焼オレンジハウス」へ到着。
ご注文はカキオコですか?
いいえ、トリアエズナマ。
日生駅から徒歩4分の立地。酒!飲まずにはいられないッ!
乾杯。
朝から丸一日走った身体に末端まで沁み渡る。
目の前ではカキオコの準備が。
完成。
待ってました!
関西人ならヘラで食べるべきかもしれないが、猫舌……。
衛生的にもあまり好きじゃない。
さて、気になるお味は。
「牡蠣は “R” のつく月に食べるべし」とはよく言ったもので、
プリプリの牡蠣、エキスが生地・野菜に混じっている。
それをソースで締めるのだから不味いわけがない。
そして、どこを食べても牡蠣が入っている 。
ビールをおかわり。どうでもよいが、私はキリンラガー派である。
口の中に残ったソースをビールで洗い流し、まっさらな口でカキオコを食べる。永久機関だ。
一瞬で鉄板の上から無くなってしまった。
砂肝を。
牡蠣のバター焼きも気になったのだが、数百円分財布に足りなかった。
また来ればよいだろう。次回のお楽しみだ。
最初は気さくな女将さんにタジタジだったが、挨拶のようなものなのだろう。
その後は特に干渉することもなく落ち着いて食べることができて満足だった。
満腹、満足感とともに夜風に当たりながら自転車を押し歩きで日生駅から輪行。
事前に373さんが時刻を調べてくれていたおかげで、電車待ちで凍えることもなく乗ることが出来た。
我々が丸一日かけて走った道のりを3時間で帰ってくるのだから、文明の利器とは便利なものだ。
最後に
KeiOSさん、373さん、きゃぷちゅんさん。
予定工程を大幅にオーバー&エンゲル係数高めのライドとなりましたが、ご参加いただきがとうございました。
またのご参加&お誘いお待ちしております。
R2を使わない、極力最短距離 を目指した影響で、
ところどころ道のチョイスは誤っているような気がしないでもないですが、次回の課題ということで。。。
今回の走行データ
走行距離:192.8km
走行時間:7:32:51
平均速度:25.1km/h
獲得高度:1,267m
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